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第4章
地下道を抜けて(入る時より楽に扉を潜り抜けてよかった)歩道に着いた。
「んじゃ、カーに轢かれんなよぉ」
ガガは力を込められていない声量で、そう言い残してこの場を後にした。僕は、「バイバイ」と、腕を振った。
「トトは如何するの?」と、顔をトトの方に向けた。
「どっかの草むらを寝床にして、夢の続きでも見るよ」
「そっかぁ」
「ポポ、お前は中心街に行ってみるといい」
トトは唐突に口にした。
「あー、さっき言ってた場所だね」
「もう少しで空も暗くなる。タイミング的には丁度いいんじゃないか?途中までだが道案内もしてやる」とトトは一歩前に出た。
「トトは行かないの?」
僕は首を傾げた。
「もう寝るよ」と一言で、サラリと返した。
トトに付いて行くことにして、地下道の入り口付近から真っ直ぐ進み、大勢の人間がご飯を食べている建物を横目で見つめ、「ストップ」と、トトが歩を止めた。
僕等の前に真っ黒なカーが横切った。僕らは立ち往生しては、人間が歩を始めると同時に、トトも歩み始めた。
ある程度歩いて、トトは「この先だ」とクイッとその方向に顔を軽く振った。
「真っ直ぐ歩けば中心街に着く」
「ありがとう、行ってみるよ」
「中心街は人混みがなにかと激しいからな、気をつけろよ」
トトはその先を見つめ僕に注意の言葉を掛けた。
「大丈夫だよ。道端を歩いて行けば人間も避けれるしね」
「そうか、カーには気負付けろよ」
「うん。トト、ありがとう」
僕は感謝の笑みを浮かべてお礼の言葉を吐いた。
「またな」とトトは後ろ姿でそう言い残し、路地裏へと去って行った。
つづく